わたしは革靴が好きです。
なぜ好きになったかは、
こちらの記事をご覧ください。

そんな革靴の中でもローファーが好きです。
ローファーがあればあとはなくても問題ないぐらいに。
そんな好きなものをとことん掘り下げていく
【偏愛シリーズ】
今回はローファーに、
焦点を当てていこうと思います。
⚫︎なぜローファー?
数多ある靴の中からなぜローファーなのか?
スニーカーもあれば、
革靴なら紐靴からブーツまで
サンダルだってある。
ローファーを履き続ける理由を
ここから時系列に沿って
記憶を呼び起こしながら
紐解いていこうと思います。
最後まで辿りついた先に
その理由があるかと思います。
⚫︎出会い編|CHEANEYとの出会い
1番始めに出会ったローファーは、
イギリス靴の名門、チーニーでした。
靴売場で働いていたときに、
突然入荷したタッセルローファー
深いブラウンに丸みのあるデザイン。
その当時はイタリア靴をよく履いていましたが、
色とデザインにやられました。

その当時の価格は、6万円ほどで
確か年齢は25前後だったかと思います。
この時の6万円は、
高級靴の部類に入っていて
中々手が伸びなかったことを思い出します。
それでも毎日見てると
不思議なことにどんどん欲しくなり
清水の舞台から飛び降りる気持ちで
購入をしました。
履いた感想は、
かっこいい
それはそうだ。
かっこいいから買ったのだ。
デザインは申し分なし。
サイズもいい。
その当時の服にも合っていた。
ただ誤算があった。
わたしはチーニーの恐ろしさを知らなかったのである。
小指死滅編
チーニーはイギリス靴だ。
ということはグッドイヤーだ。
永く履けば足に合ってくる
そして唯一無二の履き心地になってくる
イタリア靴との大きな違い。
履き始めは革は厚く曲がりはよくない。
時間をかけて自分のものになっていく。
そういう靴。
履き初めて3時間
右足小指に違和感を感じる。
履き始めて5時間
右足小指に激痛が走る。
痛い…
小指がとんでもなく痛い。
立ってられないぐらいに。
後から聞いた話ですが、
チーニーといえば
小指が死ぬ。
そんな話を靴好きの先輩から聞きました。
例に漏れずわたしもその洗礼を受けたのである。
それまで運良く靴擦れとか
そういうことに縁がなかったわたしにも
その災難降りかかってきたのである。
とはいえサイズは合っている。
短時間履いて履き替えたり
小指部分をこねこねしたり
柔らかくなるスプレーをかけたり
色々試しながら騙し騙し慣れさせていきました。
足に馴染んだのは…
試行錯誤をしながら
最終的に足に馴染んだのは、
約2年後
もはや最初のブラウンから
色も抜けて味わいのある色になったころに
それは突然きました。
1日履いても痛くない!
あの足に馴染む感覚って
急に来るんですよね。
前の日まで痛かったのに
今までもフィットしていたかのように
足に馴染んでいるんです。
この時を境に足が痛くなることはなくなり
わたしの中で唯一無二の履き心地となった
チーニーのローファー
この体験がのちに修行入りをしたときに
生きてくる…
⚫︎ローファーの始祖編|G.H.BASS
チーニーを履きながらも
その当時アメトラにハマっていた。
わたしはアメリカンなローファー探していた。
そこで出会ったのが、
ローファーの元祖とも言われている。
G.H.BASSのローファー WEEJUNS(ウィージャンズ)

その当時に履いていた同型の写真
いわゆる合わせモカの
the ローファー
学生が履いてそうなデザイン。
ボックスシルエットのブレザーに
ボタンダウンのシャツ
レジメンタルのネクタイ
ダブルのスラックス
そしてこのローファー
立派なアイビースタイルだ。
つまりは学生風だからあながち間違ってはいない。
ローファーの元祖という
基本のキはやはり履いて学びを深めたいところ。
バスそのものに惹かれたのはその軽快さ。
チーニーはイギリスだからか
作りなのか重厚な感じがありましたが、
これはいい意味で軽薄
なんかラフに雑に履いても許されそう。
そんなところから手に取った次第です。
履いてみた感想は、
楽。
チーニーってなんだったの?
というぐらい
足にもすぐ馴染んで
前から履いていたかのよう
これを知ってしまうと
イギリス靴をあえて選択しないかもしれない。
まあその面倒くささというか、
煩わしさが良かったりするのですが。
この頃は、
若干アメトラにハマってたので
アメトラっぽい時はバス
そうじゃない時はチーニー
みたいな履き方をしてました。
ローファーの元祖
ベーシックなデザインゆえに懐が深い。
軽快さも軽薄さも
オリジンと言われれば納得
だって怠け者の靴なので
⚫︎アメトラの雄 ALDEN編|カーフローファー
個人的なアメトラブームの中、
次に着目したのはオールデン。
この頃ビギンを愛読していたので、
憧れの靴=オールデン
アメトラを究めるなら履くべし。
って感じでした。
とはいえその当時でも
コードバンは10万以上
カーフでも10万近い値段。
靴に10万円以上をかけたことはなく
そもそもお金がない。
でも欲しい。
そんな葛藤をしながら
セカンドストリートで出会ったのが
オールデンのブラウンのカーフローファー

しかもマイサイズ
かつ状態もいい
そして値段も手が届く値段。
一応試着した上で即購入。
いい買い物をしました。
セカンドハンドかい!
って思う方もいるかもしれませんが、
わたしはあまり気にしません。
それそのものを気に入って買うなら
どこで買おうと問題はないのである。
転売ヤーからは買いませんが。
履いた感じ…
いい、
すごくいい。
アイビーっぽくブレザーに
ボタンダウンシャツ、チノパン。
この組み合わせもいいが、
イタリアテイストに合わせても
先の丸みがちょうどよく
なんともおさまりがいい。
なにより革の質感が好き。
これがなによりだと思います。
バスにおける多少の不満は、
ガラスレザーはエイジングのしがいがないこと。
使い込むごとに変化を重ねる。
これも革の本質的な魅力だと思う。
⚫︎ヴィンテージの風格 ALDEN編2|ヴィンテージ旧ロゴ
ひとつ買うと、
またひとつと欲しくなるのが人間。
物欲というものは、
飽きたることがないぐらいに
とめどなく押し寄せてくるもの。
オールデンのローファーを
履き始めたわたしは、
満足ができなくなっていたのだ。
他の靴では。
次に見つけたのは
タッセルローファーの元祖
とも呼ぶべき、
アバディーンラストのローファー
わたしはローファーと言っても
タッセルローファーラバー
昔から気にはなっていたわけですが、
プラプラと買い物をしてたとある日のこと
ある古着屋にて見つけた。
旧ロゴのオールデン。
サイズはマイサイズ
状態はいい。
色は…黒
正直この時、
あまり黒にはそそられなかった。
オールデン=#8
バーガンディーというイメージを持っていました。

そして黒い靴は持ってこそすれ
あまり履いてはいなかった。
まだまだイタリアナイズドされた
頭で考える。
黒はどうなのか…
そこで出てくるこの人

この頃に知ったスタイリング。
黒もかっこいい。
やはり単純。
影響されやすいにも程がある。
てことで晴れて購入。

いつものローファーよりも
少し伸びたノーズ。
そこにタッセル
完成されたフォルムである。
今も大好きな形。
⚫︎希少性の発掘|コードバン編
旧ロゴオールデンを
ひとしきり愛でた先に、
もはや避けては通れないものがある。
そうコードバン。
オールデンといえばコードバン。
価格的に手が届かない悔しさから
コードバンなんてエイジングのしがいもないし
カーフの方がいい。
と強がっていましたが、
やはり一度は手にしたい素材でした。
そして手にするなら
自分の好きな靴であってほしい。
そういう意味では、
わたしは運がいいと思います。
アバディーンラストの形も
タッセルの房の大きさも
ステッチの幅、太さまで
まるっきり好みの靴があって
その靴はコードバンでも
有名なわけだから。
何度目かの清水の舞台から飛び降る気持ちで、
こちらを手にしました。
もうこうなると飛び降りることに
なんのハードルも感じないわけです。
慣れというものは1番恐ろしい。

買ってから実際に履くまで
2週間ぐらいかかりました。
シワ入れの儀式をするかしないか。
これに悩みました。
最初から決めておけよ。
って話なのですが、
いざ実物を前にすると
どうしようかなと悩んでしまい
あーだこーだ考えているうちに
それなりに時間が経過してしまいました。
結果、そのまま履きました。
シワは履けばできる。
その曲がり方が自分の足の曲がり方なんだから
1番自然な形で履くことを選びました。
なんだかんだ今では1番履いている靴。
わたしの相棒はなにか?
と聞かれることはないですが、
聞かれたら場合には、
このタッセルローファーと答える。
それぐらいに愛着のある靴となった。
⚫︎雪でも履きたいローファー|Paraboot
オールデンという相棒を
手に入れたわたしですが、
一つ大きな問題を抱えていた。
わたしは雪国に住んでいる。
そして年間の約半分は雪に埋もれています。
コードバンはもちろんのこと
革底も履けない期間が長い。
冬に履くローファーがないのだ。
ローファーが好きなわたしは、
当然1年中、履きたい気持ちがある。
じゃあその気持ちをどう解消すればいいのか。
答えは簡単である。
雪用のローファーを買えばいい。
雪用のローファーって?
いや、知らん。
雪の上でも履けて
わたしの好みに合うもの。
使い捨てや間に合わせのような選び方はしたくない。
永く愛用できるものを探したい。
シューズショップにいる後輩に
聞いてみる。
「雪の日に履けるローファーない?」
「は?頭おかしいんじゃないですか?」
頭はおかしくねーよ。
純粋に履きたい気持ちを踏み躙ってくる
何とも腹立たしい後輩だ。
「パラブーツあるよね?」
「ありますけど、そういう用途で買う人いないですよ。」
いやいや、いないことないだろ。
え、いないの?
積雪20cmを越える地域では、
非常識なの?
どうやら非常識らしい。
そんな会話を繰り広げながら結局は購入。

シューキーパーまでつけてくれて
何ともいい後輩だ。
ありがとう。
雪や氷でも履けるのか?
というところですが、
わたしとしては全然履ける。
なんら問題ない。
ただこれは生まれながらにして
雪や氷に対して特殊な訓練を
積んできたわたしだからこそ言えるわけで
誰でも当てはまるわけではないことを
ここで言わせていただく。
素人は素直に雪道用を選びましょう。
雪でも雨でも履きたい靴。
ローファーはもう生活の一部
いや、足そのものと言っても過言ではない。
⚫︎キングオブローファー 修行編|J.M.WESTON
スターバックスで優雅にお茶をしている
わたしの目の前にトゥモローランド。
そういえばここにウエストンがあったな…
そう思ったことが始まり。
おもむろにお店に足を運び、
革靴の置いてあるコーナーへ。
ウエストンは…
ある。
あったからなんだという話ではあるが、
店員さんになぜか聞いてしまう。
これサイズありますか?
わたしは正直なところ
このタイミングでは買う気はなかった。
サイズもましてやウィズも
そんなに揃ってないだろうと
たかを括っていたのである。
ありますよー。
店員さんがあっさり言う。
え、あるの?
あるなら試着ぐらいするか。
聞いた手前、やっぱりいいです。
とはならないのだ。
そしてなんだかんだで
買った。
我ながら衝動で買うようなものではないだろうと
反省半分、いつかは履くという高い志半分。
いつか買うなら
今、手にしておくのがいいとも思った。
そして今40になって思うことは、
買っておいてよかった。だ

購入したものは5ハーフのCウィズ
足は小さい方で
オールデンなら7
他の靴ならもっとサイズを下げることもある。
ローファーは紐がない。
革が伸び、底が沈めば、かかとは抜ける。
だからローファーはタイトに履く。
そんなことを聞いていたので、
ウエストンも例に漏れずフィッティングはタイトに
これが修行の始まりである。
試着時から思っていたが、
めちゃくちゃタイト。
でもウエストンフィッティングなんて
言葉もあるぐらいタイトフィッティング
がおすすめだなんて言われてます。
家で履いてみる。
キツイ。
ちょっとコンビニまで履いてみる。
痛い。
何回か往復してみる。
これは想像よりもすごい。

仕事に履いていって
1時間でギブアップ。
こんなに辛いの?
ってぐらいに締めつける甲の部分。
コルクが沈めばなんとかなるのか?
そもそもいつ沈むんだ?
なんて思いを巡らせながら
デリケートクリームを塗ったり
裸足で履いたり
薄い靴下を買ったり
あろとあらゆる無駄な足掻きをしました。
どこが買ってよかったんだ。
と言われそうですが、
履き始めること約1年。
繰り返しちょっとずつ履く時間を増やしていく。
調子がいいと1日履けるように。
足は痛いですけどね。
それでも履く時間は少しずつ長くなっている。
最初に比べれば大きな進歩だ。
ある時、チーニーと同じ感覚が訪れる。
そう、1日履いても痛くない。
購入から3年経過したある日のことだった。
ギリギリ40手前で足に馴染む感覚。
唯一無二のフィッティングを手に入れたわけです。
こうなるともうこっちもので
出張だろうがなんだろうが履けます。
デニムでも
軍パンでも
もちろんスラックスでも
何にでも合わせられて
エレガント。
さすがキングオブローファー。
懐が深い。
チーニーの経験があったので
信じて履き続けられた気がします。
ただ40になりこれからまた3年かけられるか。
と言われると
答えはNOです。笑
もうやりたくない。
次に買うときはワンサイズ上げて買う。
絶対に。
⚫︎ なぜローファー?
数多ある靴の中からなぜローファーなのか?
という問いを最初に建てました。
ここまで読んでいただけたあなたには、
すでに伝わっているかもしれません。
答えは単純な、
「履きやすいから」
「合わせやすいから」
「デザインが好きだから」
ということではありません。
わたしが感じるのは、
ローファーという靴を通して、
「自分の好き」を発見してきたから
なんじゃないかな。
と思っています。
チーニーで「馴染む」を知り、
バスで「気軽さ」を知り、
オールデンで「革」を知り、
ヴィンテージで「古いもの」の魅力を知り、
コードバンで「素材への偏愛」を知り、
パラブーツで「生活との付き合い方」を知り、
ウエストンで「時間をかけて自分のものにする」ことを知った。
つまり、
ローファーを探していたようで、
実は自分の好きなものを探していた。
様々なフィルターを通しながら
自分の好きの基準を見つけることができたのだと思います。
この他にもいろいろなローファーを履きましたが、
それはまた別の機会にお話できればと思います。

